5th SESSION

ウチハソバヤジャナイ
〜Version 100℃〜

1995/5/4〜14 下北沢本多劇場

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:藤田秀世、犬山犬子、峯村リエ、清水宏、三宅弘城、みのすけ、今江冬子、長田奈麻、松永玲子、安澤千草、根本史紀、新谷真弓、松浦努、宮本雅通、都築ひろこ、廣川三憲、今津登識、正田達也、江口佳子、佐々木義尚、峯村純一、大倉孝二、金丸雪菜、北野恵、佐藤崇、澤田由紀子、鈴木玲、住田仁、長尾ちよみ、羽柴真希、村岡希美、ロングバケーション、二瓶鮫一

<主要な役>高野正五郎=藤田秀世、五集院アルジャーノン・五集院メンチ=犬山犬子、高野マチルダ=峯村リエ、医者=二瓶鮫一、みのすけ

<メモ>・劇団健康で92年に初演。大幅に書き換えられた再演。ケラ版ナンセンスコメディの現時点での最高傑作と言われている。(再演からでも10年近く経っているので、おそらくケラの人生の中で最高のナンセンスものになるだろう)
・ナイロン通販でビデオ、サントラ購入可能(サントラは「SUNDAY AFTERNOON」に併録。初演時のもの)。戯曲が出版されるも、絶版。
・ケラ自身も「自分のナンセンスものの中でも最もまとまりがいい」と評価。今では「ウチソバ」と略されるまでの名作。一部では「カフカ的」と評されることも。ケラは今後の再演はあり得ないとした。
・初演版にはなかった重要な役がアルジャーノン役とヤン先生役。共に犬山イヌコ、今江冬子の大当たり役と言われており、これがなかった初演が信じられないぐらいの役。
・セットは極めて抽象的。1階部分と2階部分に分かれ、上手・下手どちらからも出ハケが可能な、対称のステージ。センターの映像投射部分や、客席にも出ハケあり。これらは初演と変わらず。
・95年オーディション合格者が初舞台を踏んだ作品。大倉孝二や新谷真弓が、今からでは信じられないほどちんけな役で出ている。特にこの舞台での大倉孝二の演技は「ゲロを吐く(演技)」だけなのが、猛烈なまでのダメ出しに遭う。この話は今や伝説。
・初演時は「テクノカツゲキ」と銘打たれていたこともあって、テクノなムードが全体を支配する。開演前にはステージにターンテーブルが置かれ、DJがプレイ。開演もDJがクラフトワークの「放射能」をプレイしたまま始まる。
・現在までのケラ作品の中で出演者最多。当然役名のつかないような端役も多かった。
・当時ナイロンの作品は徐々に長くなりつつあり、休憩を挟むようになっていたが、この公演はランニングタイム約2時間15分。全体が短いだけに、各々の場面がスピーディーに演出されている。
・公演自体は短いのに、中にロンバケのライブや客席が一つの匂いが包まれる(においカードの配布)などの技巧にも満ちており、一つの芝居でお腹いっぱい楽しめる。においカードの配布は初演から続いてであったが、この当時世の中は異臭に敏感だった時期で、カレーの匂いでさえ厳しかったようだ(しかもこれが異様に臭かった)。
・この頃からナイロンは映像に凝り始め、芝居でなく映像で笑わせる手法も取り入れていく。
・当時人気だった(今も人気な)劇団、キャラメルボックスを笑い飛ばすことを始めたのがこの公演。この頃はまだ、ナイロンの方が圧倒的に人気でも集客数でも劣ったために成立したギャグだが、もし今同じことをやったら単なるイジメになって、多分笑えない。その後ギャグにされる劇団は大人計画やNODA・MAPなどに推移したが、これらもそろそろ危ない(だがこれらの劇団はケラとのつながりがある程度築かれているため、しばらくは使われそうだ)。
・04年にシリーウォークプロデュースとして、演出・ブルースカイで三演目。だがブルースカイの演出は例によってナンセンスを上塗りしており、再演と比べても相当にばかばかしい。いわゆるナイロンファンの人は、ついていけないかも知れない(アルジャーノン役は正名僕蔵)。

<ちらしより>ある日突然高鳴った電話のベルが高野家の平和を一変させた。92年初演、ケラリーノ・ナンセンスの金字塔、ここに最初で最後の再演決定。おなじみニオイカードと迫熱の生演奏&DJ付き。

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