シリーウォークプロデュース

ウチハソバヤジャナイ

2004/3/10〜22 下北沢ザ・スズナリ

作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
脚色・演出:ブルースカイ

出演:藤田秀世、喜安浩平、正名僕蔵、荒井タカシ、大山鎬則、廣川三憲、小村裕次郎、千代田信一、乙井順、村上寿子、三谷智子、立本恭子、渡辺道子

<主要な役>高野正五郎=藤田秀世、アルジャーノン=正名僕蔵、マチルダ=渡辺道子、局員=喜安浩平・荒井タカシ・三谷智子

<メモ>・シリーウォークプロデュースとして、この作品と「フリドニア」を連続上演。上演はこちらの方が先。
・未映像化。シリーウォークプロデュースのものは一本の映像になったことがないのでおそらく絶望的。
・キャスティングは主にナイロンの中堅以降の俳優が出演。他は大人計画や猫ニャー、拙者ムニエルやベターポーヅ、水性音楽などから出演。
・ほぼ同時期にク・ナウカ(一般的な認識としてはアングラ劇団)もこの作品を上演。だがこの公演はギャグにも寄らず見せ物にも寄らず、中途半端であったとの評価。
・ブルースカイの脚色により、ほとんど原型をとどめないまでに作り替えられたというのが一般的な評価だが、実は国民管理局の内部などがより詳しく描かれている。
・セットは1階・2階部分に分かれ、上下どちらからも出ハケ。2階に向かって細い階段。シーンによっては1階センターから登場することも。
・一応クラフトワークなどがかかって、それっぽくはなっているものの、Every Little Thingやスピッツなど、曲が聞こえるだけで笑っちゃうような選曲が多い。
・元の役だったのは高野役の藤田秀世のみ。再演時は小説家の設定だったが、この公演では意味不明な理由でリストラされて再就職先を国民管理局に求めるというものだった。
・一部、平山夢明(現代ホラー作家)の「東京伝説」から怖い話が引用されていて、マジで怖い。だが芝居の中での引用の必然性は全くない。
・話が少しずつずれ始め、最後はラブワゴンの設定になってしまうという、むちゃくちゃもいいところな作品。ケラならばここまで突き放したストーリー展開はしなかっただろうが、ケラらしく作ってしまったら再演の意味がないわけで、現代的にナンセンスを追求するとこうなる、といった典型。
・したがって、ストーリーに普遍的な要素がまるでない。繰り出されるギャグも04年だから笑えるものであって、3年も経てばすぐに風化するような匂い。でも、そこがいい。(ナイロンでの上演時も椎名桜子などがキーパーソンとして出てきていて、今ではもう誰も覚えていないので、もともとこの作品に普遍的なものを求める方が間違っているような気がする)
・ムライシ役の廣川三憲が、久々のセクハラ演技。ナイロンではめったに見られなくなった役。
・もったいないのは、スズナリで2階を作ってしまったところ。1階部分が人の背ぐらいはある高さにしてしまうと、スズナリは客席後部に結構な傾斜がついているので、照明が邪魔になって見えないシーンがある。
・ブルースカイは04年9月で引退予定(演劇弁当猫ニャーは解散)。この後、空飛ぶ雲の上団五郎一座の文芸部としてケラと関わるが、それがケラ関連では最後の作品になる。

シリーウォーク
演劇弁当猫ニャー

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