18th SESSION

テクノ・ベイビー
〜アルジャーノン第二の冒険〜

1999/12/17〜29 下北沢本多劇場

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:犬山犬子、今江冬子、みのすけ、峯村リエ、大倉孝二、松永玲子、長田奈麻、小林高鹿、廣川三憲、新谷真弓、村岡希美、安澤千草、大山鎬則、仁田原早苗、杉山薫、市川英実、吉増裕士、喜安浩平、大堀こういち、池田成志

<主要な役>アルジャーノン=犬山犬子、ヤン先生=今江冬子、現在の父親=大倉孝二、現在の母親=峯村リエ

<メモ>・純粋なナンセンスものとしては「ビフテキと暴走」以来になるナンセンスコメディー。これ以降、ここまでナンセンスに徹した作品は作られていない。
・ナイロン通販でビデオ購入可能。
・アルジャーノンとヤン先生は「ウチハソバヤジャナイ」からの役。チラシにもある通り、全く関係のない話。だが「間違いは誰にだってあります。それを責めるのは心の卑しい者です」(アルジャーノンの台詞)や「松陰神社前」の地名など、重なっている台詞もないことはない(たびたび出てくるこの「松陰神社前」は、東急世田谷線の駅名)。
・全編通して同じ役を演じているのは、アルジャーノン(犬山犬子)、ヤン先生(今江冬子)の2人のみ。他の出演者は全員が何役もこなしている。
・セットは大まかな部分は「ウチハソバヤジャナイ」と同じようになっているが、上下の階段踊り場部分で演じられたり、1階奧に抜けられたりと、変更点も多い。映像投射部分もいびつな形になっている。
・大山鎬則、吉増裕士、喜安浩平、杉山薫の「ナイロン第三世代」が初めて一同に会した作品。年齢的には大山鎬則は大倉孝二よりも上らしいが、ポジションは今でも変わらない。
・ショートコントを乱立させる形でストーリーが断片的に続いていく。しかしまとまる所はきっちりとまとまっており、構成自体がなし崩しになっているということはない。
・開演するまでが恐ろしいキャスティング。開場中のライブにシンセサイザーズやSKYFISHER、大槻ケンヂなどが出演し、諸注意やアナウンスに野田秀樹、古田新太、松尾スズキ、入江雅人が映像出演している。はっきり言って当時、野田秀樹だけは信じられなかった。
・イントロ部分で客席にスポットが当たり、てんでバラバラな感想を言っているシーンは「ビフテキと暴走」と同じ。ここでもまだキャラメルボックスいじりがあった。この芝居自体が、一人の客が「私だったらこうするな」という発想のもと、という設定。
・タイトル通り、クラフトワークの曲が全般を占めている。リミックスの曲も多く使われた。
・一年に一回の家族のクリスマスパーティーで両親が入れ替わっており、今まで交代した両親がビルの17階(トゥーマパルーマ面影コーポレーション)に幽閉されているということになっているが、クライマックスでその真相はグズグズになり、本当かどうかが分からないままに話は終わる。
・アルジャーノンに弟のロクロウがいるという所からストーリーは始まるが、このロクロウさえも最終的には多役になり、弟だったかどうかは分からない。
・ロクロウの印象的な形や、その他の多くのオブジェを担当したのがヨシタケシンスケ。「φ」から一年半ぶりにナイロンに関わっている。
・この後、セットを変えないまま、「東京ポーキュパインコレクション1999→2000」と称されるカウントダウンイベントが行われた。古田新太や宮藤官九郎、河原雅彦などの豪華ゲストであった。

<ちらしより>ナイロン100℃が1900年代の終わりをしめくくる最終作は、久々にデジタルビートとダンサブルなギャグ満載、そしてクリスマスな愛の気分に溢れた超ノンセンスなテクノ活劇。「ウチハソバヤジャナイ」のアルジャーノンとティーチャーヤンが再びバトルを繰り広げる、「ウチソバ」とはまったく別の物語。

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