22nd SESSION

ノーアート・ノーライフ

2001/11/1〜13 下北沢本多劇場
11/16〜17 札幌道新ホール
11/23〜25 近鉄小劇場
11/28 倉敷市芸文館
12/1〜2 福岡女性センター「ムーブ」ホール
12/5 大分コンパルホール
12/8 パルテノン多摩小ホール
12/15 盛岡劇場メインホール
12/18 新潟りゅーとぴあ劇場

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:みのすけ、三宅弘城、大倉孝二、廣川三憲、大山鎬則、吉増裕士、温水洋一、山崎一

<主要な役>ユハラ(スティーブ)=温水洋一、タイナカ=山崎一、ヒライ=みのすけ、メグリ=大倉孝二

<メモ>・「すべての犬は天国へ行く」と対で、男性ばかりの芝居として上演された作品。客演も最小限。
・ナイロン通販でビデオ、DVD購入可能。
・74年と76年、パリの芸術家がたむろう「ラパン・アジル」というカフェの地下のバーで、日本人の芸術家が集まっているという設定。ホームページがあることからも分かるように、「ラパン・アジル」は実在。ただしこのバーは存在しない。
・一幕二場。01年のケラ作品の中で、休憩を入れた作品はわずかに「すべての犬は天国へ行く」のみで、そういった口当たりの良さが、朝日舞台芸術賞の受賞につながった部分も大きいと思われる。
・セットは具象で、いわゆるシチュエーションコメディーに分類されるタイプの作品。上手にバーのセット、下手に入り口。階段を下りて下手側にトイレ、上手にジュークボックス。何脚かの椅子とテーブル。
・美術が日比野克彦、写真が桐島ローランドと、スタッフも美術系に凝ったものになった。
・ツアー日程はナイロン史上第2位の9カ所48日(第1位は「フローズン・ビーチ」再演の50日)。動員数も当時1位であった(推定11,400人。ナイロン史上第4位)。
・テーマ曲となっているのは、セルジュ・ゲーンズブールの「おしゃれなタイプライター」(「du jazz janz le ravin」に収録。発表年不明)。「ゲンズブール」は架空の通貨としてケラ作品によく出てくるが、曲が使用されたのはこれが初。
・タイトル通り、登場人物全員が何らかの形で芸術に関わっている(ユハラもバーテンダーであるが、後に本を出しベストセラー作家になる)。スライドでの成り行きまで見た時、結果的に成功する者は一人もいない。
・当初の予定では三場まである構想で、パンフレットにも78年の年代が載っているが、土壇場になってこの場面は出てこないことになった。しかし個人的には「この先を見てもなあ…」という感触があり、十分楽しめる。
・部分的に大がかりなセットチェンジがある。センター奧に描かれる絵がそれで、全員でこの絵を完成させようとする大団円に話が向かうが、完成しないまま話は終わる。
・極めてウェルメイドな作品で、派手な演出はほとんどない。会話の妙が絶品で、非常に味わい深い。「本当は駒場アゴラでやるような作品」(DVD特典映像)とはケラのコメント。キャスティングに触れるとストーリーそのものになってしまう、ケラ作品にしては珍しい、徹底的なまでのシチュエーションもの。一応書いておくと、ちらしにある「ヒモ同然の生活をしている」のはヒライ(みのすけ)で、相手の女はムーラン・ルージュで踊るショーガール。「犯罪を犯している」のはメグリ(大倉孝二)で、贋作を描いている。しかし二場では、ユハラやスケダイラ(吉増裕士)、オケタニ(三宅弘城)はすすんで犯罪を犯すようになる。
・劇中、フランス語を喋るのはわずかにモズ(廣川三憲)のみだが、本当に日本語しか喋れないのはユハラだけで、2年の時を経てユハラも話せるようになっている。

<ちらしより>パリのカフェに夜な夜な集まる「自称芸術家」の日本人達。ヒモ同然の生活をしながら、あるいは犯罪を犯しながら創作活動を続ける男達のどうにもならない人間模様。ケラリーノ・サンドロヴィッチ初の男芝居は、シャープペンシルに力を入れまくり、猛烈な筆圧で描き切る「才能と世の中の折り合いについて」の激しく愚鈍極まりない物語。

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