12th SESSION

ライフ・アフター・パンク・ロック
〜1980 SUMMER〜

1997/8/2〜19 下北沢ザ・スズナリ

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:みのすけ、犬山犬子、峯村リエ、工事現場2号、長田奈麻、田鍋謙一郎、かないまりこ、小沢直樹、小林隆志<現・高鹿>、大山鎬則、戸波咲恵、今津登識、川田希、菊池美紀、恩田秀人、谷口朋子

<主要な役>森永=犬山犬子、二ツ森=峯村リエ、ハマちゃん=工事現場2号、押切=田鍋謙一郎、安藤=みのすけ

<メモ>・ワンシチュエーションもの。具象セットは「カメラ≠万年筆」とほぼ同じ。ロッカーの落書きや貼られているポスターなどが異なる。
・未映像化。「フローズン・ビーチ」DVDの特典映像の中、犬山犬子の部分に一部入っているのみ。
・「カメラ≠万年筆」が2時間強の公演であるのに対し、こちらは90分程度にシェイプアップされて上演された。ただセットは同じものの新作であることに変わりはなく、稽古が同時並行であったために筆は遅れた。
・一幕二場。私立水島大学の映研が舞台。「カメラ≠万年筆」と同じく、スライドは使用されるが、字幕ではなく撮っている映画を場面転換の際に流す。
・下手奧はロック同好会。タイトルも「シド・ヴィシャスが死んで、残されたジョン・ライドン」(ミキの台詞)に由来する(もっと元をたどればケラのエッセイ集)。大幅に内容に関係する設定。
・森永先輩が中近東から帰ってきてドイツに行くまでの心境の変化、という芝居にも取れる。テクノポップを馬鹿にしていた森永が、それを好むようになるというのは、まんま80年代前後のケラの心境と同じであり、大々的にではないがこれも映画「1980」に流用されている。
・間違えやすいがこれは「カメラ≠万年筆」の5年前の話。順番が逆になっている。5年で変わった部分を探すのもまた楽しい。分かりやすいところでは、テレビがまだない。のちに和久井(安澤千草)が空ける壁の穴もない。役柄では、この時はまだ安藤(みのすけ)は入部希望の3回生。
・二作品に共通して出るのはみのすけだけだが、どちらも少ししか出ないため、あいだの時間の潰しようがなかったらしい。
・神取(大山鎬則)が自殺かどうか分からない死に方をする、というのが二場の全体を覆う話だが、これは自殺。ほんの一部分しかそれが提示されないため、分からない人も多かった。
・全般に流れる音楽は、テクノポップではなく山口百恵(この年に引退)。この辺りが「1980」とは異なる。
・またたくさんの名前が飛び交うので一回では把握しきれない部分もあるが、登場人物が少ないため、まだ分かる。

<ちらしより>BACK TO 80'S な二本立て
都内に建つ某私立大学の映画研究部、その粗末な部室。この雑然とした小空間に出入りする若者達のセイシュンを通して、建物の外に広がっているであろう1980年の夏と1985年の夏、それぞれを再生しようという試みが今回の二本立てです。同じセットを使って二本の芝居を上演する形態は平田オリザさんがやっているのを観てこりゃいいやと思ってマネしました。「カメラ≠万年筆」は二年前に若手公演として上演した作品で、今回は半分程キャストを入れ替えての再演となります。「ライフ・アフター・パンク・ロック」は新作です。どちらか一方を観ても十分に楽しめるようになっていますが、両方観ると、これはもう大変楽しめます。ベテラン、若手、ワークショップで出会った初参加者、いろんな人がぐしゃぐしゃ入り乱れての青春群像劇二本立て、どうぞご期待下さい。

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