Side SSESSION #7

イギリスメモリアルオーガニゼイション

1998/12/10〜13 代々木フジタヴァンテ

作・構成・演出・出演:大倉孝二、ブルースカイ(猫ニャー)、峯村リエ、村岡希美

日替わりゲスト:入江雅人(12日)、大堀こういち(10日)、みのすけ(11日、13日)

<主要な役>ベッカム警部補=大倉孝二、プロファイラー=峯村リエ、探偵=ブルースカイ

<メモ>・ケラがノータッチで成立した公演。これはSide SESSION#3の「悟空先生対アメリカ先生」以来。だがナンセンスの路線は基本的に踏襲され、主にその作家として大倉孝二とブルースカイの才能の開花があった。この98年にはナイロンの公演として計6公演が打たれるという異常事態が発生していたが、その最後の公演がこれ。
・未映像化。今後も映像化の予定はなし。おそらく絶望的。断片すらも目にすることができない。したがって目撃者が非常に少ない、珍しい公演。ただし客席は連日超満員。
・この公演の英語表記は「Igilisu Memorial Organization」。ナンセンスな会話はブルースカイが本領を発揮した感があり、この公演でケラのブルースカイに対する信頼は絶対的なものとなったようだ。不条理な会話は別役作品を彷彿とさせる部分も見られる。
・セットは中央に黄色と深緑のストライプのドアだけドア、下手に同一配色の階段。あまり作り込んでいない感のする舞台。また、スライドのため前部が空いている。
・お笑いの舞台を感じさせるような形式の、オムニバスの感が少し漂う構成。冒頭は村岡のディナーショーで始まり、事件を作りたい人たちに加えて、犯人像を好みだけで作り出すプロファイラーには「熱海殺人事件」のニュアンスが感じられる。他にマラソンの給水所、病院、バーなどのステージが錯綜する。小道具である赤べこが次第に大きくなり、事件の鍵を握る(もちろんナンセンスコメディーなので、そんなに深い意味はない)。
・万里の長城にも匹敵する長さを持ったイギリスのアパートが舞台。この辺りの設定はナンセンスというよりも不条理か。
・日替わりゲストが演じたのは花屋のパート。花屋を営みながら自分自身の借金取りをやっているという、ひとりの応対がゲストの見せ場。
・劇中に出てくるスライドは、線画イラストによるアニメーションで、新谷真弓が手がけたもの。新谷自身はこの公演に一切関わっていないが、劇画が作れるというところから登用されたのであろう(新谷は無類のアニメ好き)。
・時期的にクリスマスに合わされ、クリスマスに向けて「やばい計画」を立てようとする芝居が並行する。これはグズグズになって終わるものの、ラストはきちんと収斂する。この辺りも極めて笑いの舞台に近いものがある。

<ちらしより>「イギリスメモリアルオーガニゼイション」というタイトルをつけました。何だかダサイタイトルです。でも最近ちょっと気に入っています。訳すとイギリス記念組織です。ちょっと良いでしょ。一体イギリスの何を記念しているのか、どの様な形で記念しているのか、しかも組織なの。そんな漠然とした所が良いでしょ。そんな事言われても困るでしょ。同意できないでしょ。でもそこを何とか気に入ってみたらどうなのさ。こういうのってどんな事を書けば皆さん観に来てくれるんですかね?
大倉孝二

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