13th SESSION

フランケンシュタイン
〜Version 100℃〜

1997/12/4〜19 新宿スペースゼロ

原作:メアリ・シェリー
脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:三宅弘城、大倉孝二、犬山犬子、峯村リエ、今江冬子、みのすけ、松永玲子、長田奈麻、林和義、佐藤拓之、村岡希美、安澤千草、澤田由紀子、廣川三憲、宮本雅通、新谷真弓、今津登識、かないまりこ、藤倉みのり、仁田原早苗、小林隆志(現・高鹿)、二瓶鮫一

<主要な役>フランケンシュタイン=三宅弘城、クリーチャー=大倉孝二、インガ=峯村リエ、アイゴール=犬山犬子、殺人鬼=みのすけ

<メモ>・ゴシック・ホラーとナンセンスコメディーをまぜこぜにした、大がかりな仕掛けが満載のエンターテイメント・ホラー・コメディー。としか言いようがない。
・映像、戯曲等は未発表。「東京のSF」のDVD特典映像、「フローズン・ビーチ」DVDの特典映像の中、犬山犬子、峯村リエの部分に一部入っているのみ。「東京のSF」の方がより鮮明な画像だが、どちらにしろ総計して15分程度しか見ることができない(上演時間は休憩込みで3時間)。明言はされていないが、この映像リリースはおそらく絶望的。
・メアリ・シェリーの原作に加え、映画としてリリースされている「フランケンシュタイン」シリーズ、そして特に映画「ヤング・フランケンシュタイン」が大きな下敷きになっている。インガとアイゴールの設定もここから発想された(これを見るまで知りませんでしたが、「フランケンシュタイン」とは博士の名前で、怪物の名前ではありません。念のため)。
・広い舞台全体を覆うようにゴシック調のセット。上下からの出入りに加え、センターのカーテンを通しての出ハケが可能。また2階部分がコの字型に客席を向いている。上手の階段部分は回り舞台で、セットも移動する。
・怪奇なシーンをナンセンスな笑い、無自覚な笑いが覆い隠すようにしていて、観客が感じる恐怖はほとんどない。血糊などもかなりリアルに作られ、クリーチャーの衣装も完璧すぎるぐらいだが、リアリティから発生する笑いを意図したものか。
・インガとアイゴールのキャラクターは、ほとんど変えられないまま「東京のSF」で出てくる。ただ、「ヤング・フランケンシュタイン」の人物像とは全く違うものであり、またこの公演では「二人組」ではなくあくまでもインガの方が立場が上と、微妙に異なる点がある。
・三宅弘城がナイロンで主役を張ったのは、今のところこの公演のみ(ソロレイトショー「悟空先生対アメリカ先生」を除く)。
・ナイロン作品の中で如実にクリスマスを意識したのは2nd SESSIONの「SLAPSTICKS」以来。これ以外には「東京のSF」や「消失」など。
・煽動されやすい大衆が大勢出てくるシーンもあり、群像劇としての性格も持ち合わせている。
・大仰な死やヘヴィーなストーリーが展開するが、いずれもちぐはぐな会話ではぐらかされる。博士の死もあっけないもので、助手のインガとアイゴールもまた、その死に無自覚なままラストを迎えてしまう。
・ラストはとにかく圧巻。こればっかりは、映像でも何でもいいから見た方がいい。このラストが後に「1980」に転用されることになる。
・この公演について子細ご存知の方は、ご一報下さい。

<ちらしより>原作はもちろん1818年にメアリ・シェリー女史によって書かれたゴシック・ロマンの超名作ノベル。
 舞台は18世紀ロマン主義華やかなりし頃のスイス。生命再生の夢に取り憑かれた若き科学者と、彼によって生み落とされた怪物、その愛と生と死とあとなんだかよくわからないもの…。
 KERA初のコスチューム・プレイにして、ナイロン史上最大規模の大仕掛け、SFX満載(予定)の超大作。ナイロン100℃が97年のとどめを刺して刺してグッタリするほど刺しまくる、狂笑のブラック・ファンタジィ イン・ホワイト・クリスマス。

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