10th SESSION ANNIVERSARY

カラフルメリィでオハヨ'97
いつもの軽い致命傷の朝〜

1997/4/11〜13 近鉄小劇場
4/20〜5/3 下北沢本多劇場

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:みのすけ、入江雅人、犬山犬子、三宅弘城、大倉孝二、清水宏、今江冬子、峯村リエ、松永玲子、工事現場2号、長田奈麻、澤田由紀子、廣川三憲、村岡希美、今津登識、仁田原早苗、大山鎬則、山崎一

<主要な役>ヒルマミノスケ=みのすけ、みのすけ老人=山崎一、息子、品川先輩=入江雅人、医者=大倉孝二、杉田=犬山犬子

<メモ>・劇団健康で88年初演。三演目。基本的にはナンセンスコメディ。
・ナイロン通販でビデオ購入可能。初演時の戯曲は「私戯曲」として出版されるも、絶版。
・ケラの父の病室で一稿目が書かれたこともあり、ナイロンファンの間では異色と捉えられることの多い作品。
・91年の健康での再演時の台本にほぼ沿って上演。初演時にはメリィが出てきていたが、ここでもその役はカットされている。
・Aプロ、Bプロに分かれて初のダブルキャストが行われた。菜津子役の松永玲子と澤田由紀子。この問題は相当もめたらしい。
・カラフルメリィは有頂天初期からケラが好んで使った名前。同名の曲やアルバム、ビデオもある(すべて廃盤)。「いつもの軽い致命傷の朝」も同名曲あり。
・80年代に書かれただけあって、よく見てみると劇構造が結構複雑。なのにナンセンスでまとめているから、通常の文脈では説明不可能な芝居になっている。
・ラストにかかる曲は「恋人よ我に帰れ」だが、この演奏をしているのはケラの父、小林巽が参加していたオールドボーイズ(歌は吉田日出子)。これも結構有名な話。
・チラシに記載されていないが、後半にケラが出演。今のところ本公演ではこれが最後の出演。
・特にクライマックスが大幅に差し替えられ、死を笑い飛ばす歌が最後を飾る。
・ナイロンとしては二度目の大阪公演。ウケがもうひとつで、初日が終わった後には本気で書き直しが検討されたらしい。
・四演目をする構想もあるが、ナイロンでやるのかどうかがよく分からない。
・97年はこの公演を皮切りに、Side SESSIONを含めると5作上演している。公演時期から見ても、ちょっと異常。

<ちらしより>どんな作家にも一生に一本しか書けない“特別な台本”があると思います。劇団健康で「カラフルメリィでオハヨ」を初演したのが88年の8月、会場は下北沢のザ・スズナリでした。台本はもっぱら墨田区にひっそりと建つ、ある病院の一室で書きました。公演数カ月前に余命わずかの宣告を受けた父親につきそいながらの執筆でした。父ひとり子ひとりの生活だったので”さすがに演出までを引き受けるわけにはいかなかったところ、手塚とおるが演出を買って出てくれました。それで、その病院が二ヶ月間ばかり僕の仕事場になったわけですが、父の枕元で原稿用紙に向かってみるものの、書けることといったら父のことだけでした。物語の舞台は必然的に病院になりました。我ながらプロ意識に欠ける作家です。夜明け前、膝の上の原稿用紙をボォっと見つめていると、時折、病室の白い壁の向こうで波の音がきこえたような気がしました。
千秋楽を二日後に控えた日の明け方、父は息をひきとりました。僕は、父の死で一本の芝居を作ってしまったことに自己嫌悪を感じる反面、おそらく自分はこれからもこうして生きていくしかないのだ、と腹をくくりました。
3年後に本多劇場で再演したときは自分で演出しました。今回、二度目の再演になります。二度も再演するのはこの作品が初めてのことですが、あれから9年、ようやく客観的な視点で台本と戦えそうな気がします。実は相当恥ずかしい芝居です。他の芝居では絶対書かないこともたくさん書いています。チンチン見られているみたいです。ぜひ観て下さい。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ

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