Side SESSION#2

カメラ≠万年筆

1995/8/30〜9/3 新宿シアタートップス

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:松永玲子、安澤千草、大倉孝二、村岡希美、松浦努、廣川三憲、新谷真弓、澤田由紀子、山上優、宮本雅通、今津登識、佐々木義尚、江口佳子、北野恵、長尾ちよみ、根本史紀、正田達也、都築ひろこ、井出泉、鈴木雅子

<主要な役>皆戸=松永玲子、和久井=安澤千草、女子高生=新谷真弓

<メモ>・ケラが初めて具象セットを組んで作ったシチュエーションコメディー。Side SESSIONをそれに充てたのは、失敗の危険性を危惧してのものだろう。
・未映像化。再演時のものは部分的に映像化されている。「カメラ≠万年筆」を参照。
・当時若手であったキャストで上演。ワークショップ1ヶ月、稽古2ヶ月という、今からでは考えられないほど一つの公演にかけた時間が長かった。
・出演者は総勢で26名との記録が残っているが、残り6名の名前が不明。ご存知の方はご指摘ください。
・結果的にこの作品は予想を上回る評価を受ける。特に本公演ではナンセンスものが続いていたため、観客の期待も概ねこの方向にあったのだろう。感想欄に「岩松了?」と書かれたほど静かなトーンであった。
・2年後、この作品は本公演として再演。再演時に書き加えられた役もあるが、大方のプロトタイプはこの時の上演台本のまま。緻密に伏線がはられ、数多くのプロットがあった。青春ものは、特にこの時期ケラが好んだ作風であった。
・舞台となるのは85年。日航機の墜落事故やファミコンのマリオブームなどが登場する。ケラ本人として大きく才能を開花させたのがこの年代であり、80年前後や70年などと並んで印象的な年代だったようだ。
・セットは水島大学の映画研究会という設定で作られる。上手奧から部室に出入りする。再演では下手奧に写真部につながるドアがあることになっているが、初演ではこれはなし。
・映画が「夕やけニャンニャン」に取材されるシーンでインタビューしているのは、ゆうゆ(確かにアイドルだったけど、おニャン子じゃないし、難しいところ)。
・若手公演として印象的であったようで、劇団らしい悩みが稽古場に渦巻いた。新谷真弓が困った女の子の役で出てくるが、実際にも困った女の子であったようだ。この公演を通して、成長した俳優とそうでない俳優が分かれる(成長したのは、もちろん今も残っている人達)。
・タイトルを説明するシーンがこの公演では存在せず。48年にアレクサンダー・アストリュックが提唱した「カメラ=万年筆」という思想に由来するが、実際には80年にムーンライダースが発表したアルバムタイトルから発想されたようだ。
・映像の使い方を模索していた時期でもあり、字幕で途中の進行や後日談などが語られる。
・また、「登場人物たちにとって音楽はどう聞こえているのか」ということをケラが考え始めていた時期でもあり、音楽はカセットテープから流れるか、字幕のバックで流れるかに統一されている。(トーキングヘッズやデビッド・バーンが使用された)

<ちらしより>《自主映画を作る女子大生のお話です。》
ナイロン100℃が小劇場界の人気者をすべて排して贈る、ちょっぴり可笑しくてかなりやるせない青春劇。

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